一般的な超音波溶着機は「発振器」と呼ばれる超音波を出力する装置と「溶接台」から構成されています。
溶接台は超音波振動を発生させる「振動子」と振動子を上下させる「加圧機構」から構成され、プラスチックなどの被溶着物に圧力を加えながら溶着します。
また、溶接台を使用せず発振器と振動子とホーンの組合せという機器もあります。
超音波によるプラスチックの溶着機は、「超音波プラスチックウエルダー」とも呼ばれています。
発振器は、一般的な商用電源の電力を超音波電力に変換する装置です。
使用するホーンや溶着物の状態などにより必要な周波数が変わるため、電子回路が最適周波数に調整する「自動追尾回路」を搭載しています。
また、超音波溶着用の発振器には「定振幅回路」が搭載されています。
定振幅とはホーン先端振幅を一定にする機能となっており、溶着物の有無や加圧力などにかかわらず常に設定した振幅になるように作動し、安定した溶着ができるようになっています。
なお、超音波振動用の電力を扱っているため「発信器」ではなく「発振器」と表記します。
超音波溶着用の「振動子」は、超音波振動を発生させるBL振動子と、BL振動子の振幅を拡大する「固定ホーン」、固定ホーンの振動を溶着物に伝達する「工具ホーン」に区分されています。
工具ホーンは用途によりさまざまな形状のものが製作されています。
超音波溶着技術の肝は「ホーンの形状にあり!」と言っても過言でないでしょう。
超音波溶着ラボでは、溶着物に合わせたホーンを、まずは手削りでご用意いたします。
超音波溶着機は、あらかじめ予熱する必要がなく、電源を入れればすぐに使うことができます。
「発振器」から発生した超音波が強力なランジュバン型の「超音波振動子」を通じて「ホーン」に伝わります。
超音波振動をホーンの先端に集中させることで、被溶着物に対して強い衝撃が目にも留まらぬスピード(30kHzの場合毎秒3万回)で伝わり、接合面が発熱します。
その熱により接触域のプラスチックが溶解し、プラスチック固有の高分子鎖が絡み合うことにより、“瞬間的”な溶着が可能となります。